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網膜は眼の一番奥の視細胞の集まっている神経膜組織で、光を感じ取る役割を果たします。この網膜の中で、特に物体を鮮明に感じ取ることができる部分を黄斑といいます。黄斑上膜とは、この黄斑の上に膜ができる病気です。
主な原因としては加齢によるものがあります。40歳から60歳くらいになると、眼の大部分を占める硝子体に変性が起き、硝子体が網膜から離れていく網膜硝子体剥離が生じます。この時に、黄斑に硝子体の一部が残ってしまうことがあり、これが分厚くなって黄斑上膜となることがあります。
それ以外では、外傷、ぶどう膜炎など、眼の中の炎症が原因となって黄斑上膜ができる場合もあります。
黄斑上膜の症状としては、視力の低下や物が歪んで見えるなどがあります。
網膜の状態を詳しく調べるために、眼底検査を行います。眼底検査は瞳孔を開く散瞳薬を点眼してから行います。散瞳後は、光が眩しく感じる状態が3~6時間程度続きますので、検査直後は車の運転などはできませんが、時間の経過とともに自然に元の状態に戻ります。
また、アムスラーチャート(碁盤の目が描かれた表)の中心を患眼で見て、変視症(見たい部分が歪んで見える)やコントラスト感度の低下、中心暗点(見たい部分が見えない)などの症状を検査します。最近では、近赤外線を利用した眼底の検査機器であるOCT(光干渉断層計)による検査が登場し、今まで行えなかった網膜の断面を観察することができるようになり、網膜疾患、黄斑部病変の精密な診断を行うことができるようになりました。
眼球に3つの小さな穴を開け、硝子体カッターで硝子体を取り除きます。
黄斑の周りに付着している薄い膜を除去します。
網膜の他の部分に裂け目がある場合は、レーザー凝固を行います。
目の中に空気や膨張性のガスを注入します。気体の膨らむ力を利用して円孔が閉じるように、手術後は約1週間うつぶせの姿勢で過ごす必要があります。ガスは自然に吸収され、眼内に分泌される房水と置き換わります。