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緑内障の治療には、症状に応じて様々な治療法がありますが、長期的に眼圧をコントロールする必要があります。緑内障は、中途失明原因の第一位にランクされる非常に怖い目の病気ですが、現在は様々な治療が開発され、適切な治療を行うことで失明を回避することができるようになりました。冨田実アイクリニック銀座では、緑内障治療の選択肢を広げるために、新たな緑内障治療として開発された「極低侵襲緑内障バイパス手術」を新規導入しました。
極低侵襲緑内障バイパス手術は、開放隅角緑内障に対して眼圧を下降させる効果があります。目の中を循環する房水には、栄養の運搬、老廃物の排出以外に、眼圧を維持する働きがあります。房水は、毛様体から分泌され、線維柱帯というフィルターの役割を果たす網目状の器官を通ってシュレム管から排出口されます。この房水の量によって眼圧を維持していますが、この線維柱帯が、房水に含まれる老廃物によって目詰まりすると、房水の排出が妨げられて房水の量が増加し、眼圧を上昇させる原因になります。極低侵襲緑内障バイパス手術は、生理学に基づいた房水の流出経路を確保し、房水の循環を改善するようにデザインされています。治療に使用するバイパスは、直径1mm程の非常に小さいチタン製のバイパスです。これを線維柱帯からシュレム管に挿入することで、房水の排出を改善することができます。
極低侵襲緑内障バイパス手術は、チタン製のバイパスを線維柱帯からシュレム管に挿入することで、房水の排出を改善することができます。バイパスの本体は、直径1mmと非常に小さく、わずか2mm程度の切開創から挿入することができますので、手術後の回復も早く、早期に通常の生活に戻ることができます。
バイパスの設置によって、房水の排出口を確保されると、滞っていた房水の循環が改善されます。これによって、眼内の房水量が安定し、眼圧の低下効果が得られます。また、患者様の負担である点眼本数の減少も期待でき、点眼治療の必要がなくなるケースもあります。
極低侵襲緑内障バイパス手術は、5年に渡って25万眼もの臨床研究が行われ、その有効性が実証されています。
Journal of Cataract and Refractive Surgeryで最近発表された臨床研究では、術前の平均眼圧41.4mmHgでに対し、3年目の平均眼圧が14.9mm Hgまで下降し、術前に投薬を受けていた時と比較して36%の眼圧下降が認められました。また、極低侵襲緑内障バイパス手術は白内障手術と併用することもでき、緑内障患者が白内障手術を受ける際に、緑内障の治療を同時に行うことができるようになりました。これによって、1回の手術で眼圧下降の効果を得ることができますので、新たな選択肢として期待されています。