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円錐角膜

円錐角膜治療実績

円錐角膜とは・・・?
円錐角膜とは・・・?

円錐角膜(keratoconus) という言葉は、ギリシャ語の角膜を意味するkerato と、円錐を意味するkonos の二つの言葉に由来します。円錐角膜は大抵の場合、角膜が薄くなり中心部が突出し、視力低下や乱視の発生をもたらします。
年齢によりその症状が始まる時期は異なりますが、開始時期が早いほど円錐角膜の進行も早まります。その症状は左右両眼に起こり、形状は左右非対称です。




円錐角膜の原因

円錐角膜の原因は、まだ明確には解明されていませんが、遺伝的な要因があることは確かで、隔世遺伝(祖先にあった遺伝形質が、しばらく後の世代の子孫に現れる現象) によることもしばしばあります。
また、円錐角膜が始まる時期は一般的に思春期で、多くはアレルギーに関係しています。特にアトピー性皮膚炎を合併していることが多く、目をこする行為が円錐角膜の状態を進行させる原因であると言われています。
このことから、角膜の突出に関係する遺伝的要因に環境的な要因がプラスされて発症すると考えられており、日本人の発症率は、1000~2000人に1人の割合であると言われています。


円錐角膜の症状

円錐角膜は角膜が薄くなり、薄くなった部分が眼圧に耐え切れなくなって前方に突出してくる眼疾患です。角膜が突出してくると視力に影響がでてきます。初期段階では、乱視の発生と診断されることが多く、メガネやコンタクトレンズで視力を矯正できるため円錐角膜であると気付かないケースが多いのが現状です。しかし、さらに症状が進行すると角膜の突出が強くなると、角膜形状が原因でコンタクトレンズの装用も困難になります。また、薄くなった部分とレンズが擦れることで激しい痛みが起こることがあります。症状がさらに進行すると、コンタクトレンズでの視力矯正もできなくなり、角膜移植を必要とする場合があります。円錐角膜を放置しておくと、角膜の薄くなった部分が破れ、最悪の場合は失明に至るおそれがありますので、適切な治療を行うことが重要です。


円錐角膜の初期段階では、視力の低下を自覚するようになり、特に夜間視力が低下します。
また、乱視の発生により物が歪んで見える、明るい所で眩しく感じるといった症状が現れます。


角膜の突出した部分に濁りが生じることがあり、明るい所で眩しさを強く感じることがあります。


角膜が突出することで、コンタクトレンズが外れやすくなります。ハードコンタクトレンズが、よく外れることがといった症状で眼科を受診した時に、円錐角膜が発見されるケースが多くみられます。


症状が進行して角膜の突出が強くなると、角膜の薄くなった部分ととコンタクトレンズと擦れることで強い痛みを感じることがあり、コンタクトレンズの装用ができなくなります。


円錐角膜の進行により角膜を構成するデスメ層が破れると、眼の中を循環している房水が角膜内に漏れ出し、角膜が白く膨れ上がる「急性水腫」を発症することがあります。


円錐角膜が重い症状まで進行すると、角膜が更に薄くなり、薄くなった部分が破れることがあります。この場合は、早急に角膜移植を行わなければなりません。

円錐角膜の診断

円錐角膜は、角膜の一部分が薄くなり、その薄くなった部分が眼圧に耐え切れなくなって前方に突出してくる眼疾患で、視力の低下や乱視の発生を引き起こします。初期の段階では、乱視の発生と診断されることが多く、従来の検査では、円錐角膜を早期に発見することが困難でした。
しかし、角膜移植を必要とする非常に重篤な症状まで進行する恐れがあるため、早期発見・早期治療を行うことに越したことはありません。最近では、検査機器の進歩によって円錐角膜を容易に診断できるようになりましたが、最新の検査機器の普及がまだまだ進んでいないため、適切な診断が受けられる施設が限られているのが現状です。当院では、円錐角膜を容易に診断できる最新の検査機器を複数導入して、早期発見に努めるとともに、症状の進行状態を的確に把握して、適切な治療を行っています。



円錐角膜を容易に診断できる検査機器を多数導入
冨田実アイクリニックでは、円錐角膜を的確に診断するために最新の検査設備を導入していますので、円錐角膜の初期段階から病気の発見が可能です。

  • 角膜形状測定装置(トポグラフィー)
  • 前眼部画像解析装置(ペンタカム)
  • 角膜形状・波面収差測定装置(アイトレース)


円錐角膜の治療方法

円錐角膜と診断されたら

視力の改善を目的とした治療方法

冨田実アイクリニック銀座では、
様々な円錐角膜の治療を行っています。

円錐角膜の治療は、病気の進行を抑えることが重要になります。もちろん、初期の段階では、低下した視力を矯正するためにコンタクトレンズを処方して、経過を観察することはできますが、さらに症状が進行するとコンタクトレンズでの視力矯正ができなくなり、角膜移植が必要となります。そのような状態になる前に、症状の進行を抑える根本的な治療を行うことが必要です。国内では円錐角膜治療の普及が遅れており、新しい治療法があることを知らない方が多いのが実情ですが、当院では、視力の改善を目的としたコンタクトレンズによる治療から、根本的に円錐角膜を治療できる最新治療まで様々な治療法を導入して、円錐角膜の治療を行っています。

コンタクトレンズによる対処療法

●通常のハードコンタクトレンズによる視力矯正

円錐角膜の初期段階に行われる一般的な対処法です。近視や乱視が軽い時期は通常のハードコンタクトレンズで視力を矯正することができます。

●ピギーバックによる視力矯正

円錐角膜の症状がある程度進行すると、ソフトコンタクトレンズの上からハードコンタクトレンズを二重に装用するピギーバックという視力の矯正方法があります。尖った角膜とハードコンタクトレンズが擦れることで生じる痛みを緩和するためにソフトコンタクトレンズを間に挟みます。

●円錐角膜専用のハードコンタクトレンズによる視力矯正

円錐角膜の症状がある程度進行すると、円錐角膜専用の非球面コンタクトレンズによる視力の矯正方法があります。この特殊なコンタクトレンズは、レンズの裏側が突出した角膜形状に合わせてオーダーしますので、レンズと擦れることで生じる痛みを軽減することができます。

コンタクトレンズの処方は円錐角膜で低下した視力を改善することが目的

円錐角膜と診断されると、コンタクトレンズを処方して経過を観察するのが一般的な治療法ですが、コンタクトレンズの処方は、円錐角膜の進行に伴う視力の低下や乱視の発生に対処することが目的です。初期の段階では、コンタクトレンズで低下した視力や乱視を軽減できますが、病気が進行している場合は、根本的な治療を行って進行そのものを止める治療が必要です。



冨田院長
コンタクトレンズでは、
円錐角膜は治すことができません。

コンタクトレンズの処方は、円錐角膜の進行によって低下した視力を改善することが目的であり、根本的な治療法ではありません。角膜は進行とともにどんどん薄くなり、手遅れになると角膜移植が必要となります。円錐角膜は、角膜移植を要する最も多い目の病気ですので、進行を抑制する根本的な治療を受けることが大切です。

円錐角膜の根本的な治療法

角膜を構成するコラーゲン線維の
結合を強化する「クロスリンキング治療」

クロスリンキングは、角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら、365nm波長の紫外線を照射することで、角膜を構成するコラーゲン線維を架橋(クロスリンキング)させる治療法です。クロスリンキング治療によって、コラーゲン繊維の結びつきが強化されると、角膜自体の強度が向上し、円錐角膜の進行を抑制することができます。治療後は、角膜の強度が約300%向上すると言われており、これまで円錐角膜の効果的な治療法が角膜移植しかなかったことを考えると、とても画期的な治療法が登場したといえます。眼内の組織に影響がない安全な強さの紫外線を照射しますので、副作用などもなく、非常に安全性の高い治療法です。


治療時間が大幅に短縮された最新の
「高速クロスリンキングシステム」を導入

高速クロスリンキングシステム「CXL-365 vario System」
当院では、最新のクロスリンキングシステム「CXL-365 vario System」を導入して円錐角膜の根本的治療を行っています。
従来のクロスリンキング治療は、リボフラビン(ビタミンB2)の点眼時間と紫外線の照射時間を合わせると片眼1時間以上もかかっていたため、長時間に渡って眼を開き続けている負担が非常に大きかったことが課題でした。しかし、当院の導入した最新の設備は、照射時間が約6分にまで短縮され、片眼の治療が20分程度で終了しますので、施術中の負担が大幅に軽減されました。


クロスリンキング治療の流れ


①麻酔薬を点眼します。

②アルコールを使用して角膜上皮を柔らかくします。

③器具を使用して角膜上皮のみを取り除きます。

④角膜中央部分にリボフラビンを約15分間点眼します。

⑤リボフラビンを点眼しながら、紫外線を約6分間照射します。

⑥照射後に保護用のコンタクトレンズを装用して施術は終了です。


クロスリンキングを行うと、角膜を構成するコラーゲン線維の結びつきが強化されます。
上記の治療前と治療後を比較すると、細かく結びついた組織構造が確認できます。

レーザー角膜リング

近視・乱視の軽減、角膜を強化する「角膜リング」

角膜内リング挿入手術は、円錐角膜の代表的な治療法のひとつです。角膜内リング挿入手術は、角膜内に半月状の薄いプレートを挿入して、角膜の突出した部分の形状を平らにすることで、近視・乱視を軽減させる治療法です。角膜内リングを挿入することで、円錐角膜の進行を抑えることができますので、症状が進行しやすい年齢(20代から30代)の方には、進行予防の効果があります。また、角膜の突出によって困難となったコンタクトレンズの装用を可能にする効果もあります。

円錐角膜の代表的な治療法「角膜リング」

角膜リングは、直径5~7mmの半月状の透明な薄いプレートです。症状に応じて様々な厚さがあり、白内障手術で用いられるレンズと同じポリメチルメタクリレートでできていますので、角膜に対して耐性があり、拒絶反応の危険性が非常に低い安全性の高い素材です。当院では、3種類の角膜リングを採用し、円錐角膜の進行状態と近視や乱視の程度によってリングの直径と厚みを選択して使用しています。

正確性・安全性を格段に向上させた最新レーザー
「FEMTO LDV Z8」を導入

以前の角膜内リング挿入手術は専用の器具を用いて角膜にリングを挿入するためのトンネルを作成していましたが、人の手による切開にはどうしてもその精度に限界がありました。近年では、フェムトセカンドレーザーを用いてコンピューターの自動制御で角膜を切開することが可能となり、より安全で正確な角膜内リング挿入手術が行なえるようになりました。当院では、最新のフェムトセカンドレーザー「FEMTO LDV Z8」を導入して角膜リングによる円錐角膜治療を行っています。


レーザー角膜リング治療の流れ

①麻酔薬を点眼します。

②フェムトセカンドレーザーで角膜リングを挿入するトンネルを作成します。

③角膜リングを挿入します。

④消毒をして手術は終了です。
※角膜リングの挿入によって、角膜の形状を平坦化させ、近視・乱視を軽減させます。

角膜リングで平坦化させた角膜を
クロスリンキングで強化する

この治療は、円錐角膜に有効な角膜リングとクロスリンキングを組み合わせた非常に効果的な治療方法です。角膜リングは、突出した角膜の形状を平坦化させ、症状の進行によって生じた近視や乱視を軽減させる効果がありますが、平坦化させた角膜にクロスリンキング治療を行うことで、角膜形状の維持と症状の進行を抑制する2つの効果があります。フラットに変化させた角膜形状をクロスリンキングで固めることで近視・乱視の発生を食い止め、以降の進行を抑制します。

円錐角膜は進行を抑えるための適切な治療が必要です

円錐角膜も治療できる時代です

円錐角膜は、進行すると角膜移植が必要になるほどの難しい病気です。初期段階では、コンタクトレンズでの治療で視力を回復することができますが、症状が進行するとコンタクトレンズの装用もできなくなりますので、症状の進行を抑える根本的な治療を行うことが重要です。
以前は、角膜移植しか根本的な治療方法がありませんでしたが、近年では新しい治療法が登場して、円錐角膜も治療できる時代です。国内ではまだまだ円錐角膜の治療が遅れていますが、角膜リングやクロスリンキングなどの有効な治療法があることを知っておくことが大切です。